夜中、天井裏から聞こえる物音。庭やベランダに残されたフン。
「業者に頼むほどじゃないかもしれない」
「とりあえず自分で何とかしよう」。
そう考えて、インターネットで調べながら害獣駆除を始める方は少なくありません。
しかし実は、その“自己判断”こそが、被害を深刻化させる原因になる事も多いのです。
追い出したつもりが屋根裏で死骸化してしまった。侵入口を塞いだら、別の場所を破壊された。フン掃除をした後、家族が体調を崩した。
こうしたトラブルは、決して珍しい話ではありません。
害獣駆除は、単なる掃除やDIYとは違います。相手は野生動物であり、生態・法律・感染症・建物構造など、複数のリスクが複雑に絡み合っています。
知識がないまま行う対策は、「やらないより危険」になることすらあるのです。
この記事では、実際によく行われがちな自分でやってはいけないNG害獣駆除方法・対策を10個まとめました。
その理由と危険性をわかりやすく解説します。被害をこれ以上広げないために、まずは“やってはいけないこと”から確認していきましょう。
「自分で何とかしたい」が実は一番危ない
一見すると合理的に思える「自分で何とかしたい」という判断。
業者に頼めば費用がかかる。被害もまだ小さそう。ネットには対処法が溢れている。そう考えれば、まず自分で対応しようとするのは自然な流れです。
ですが、害獣被害の怖さは「今見えている被害」よりも、「見えていない進行」にあります。
天井裏で何が起きているのか、侵入口はどこか、繁殖期かどうか。これらを正確に把握しないまま手を出すと、被害は静かに、確実に悪化していきます。
特に多いのが、「対策したことで状況が変わり、害獣が学習してしまう」ケースです。中途半端な追い出しや不完全な封鎖は、害獣にとって“より安全な侵入ルート”を教える結果になりがちです。
一度学習された家は、再侵入のリスクが一気に高まります。
害獣駆除は、失敗してからやり直すほどコストが膨らむ事があります。だからこそ最初の一手、「自分で何とかしよう」という判断そのものが、実は最も高くつく選択になるかもしれません。
害獣駆除は塞いで終わり?DIYでやり切るのが難しい理由
害獣駆除は、一見すると「追い出して塞げば終わり」のように思われがちです。
しかし実際には、調査・判断・施工・再発防止までを一貫して行わなければ意味がなく、そのすべてを素人が正確にやり切るのは非常に難しいです。
侵入口が一か所とは限らず、被害の原因となる動物も一種類とは限りません。表に見えている音やフンは氷山の一角で、天井裏や壁の内部では、想像以上に状況が進行している場合も多くあります。
部分的な対処では根本解決にならず、結果として「やったのに直らない」「前より悪化した」という事態になりかねないのが害獣駆除の難しさです。
けが・感染症・火災・再発でダメージが増える
DIY害獣駆除で特に見落とされがちなのが、身体的・衛生的なリスクです。
天井裏や床下での作業は、踏み抜きや転落、釘や断熱材によるけがの危険があります。また、フンや尿、巣材には病原菌や寄生虫が含まれている可能性があり、防護なしで触れることで感染症につながることもあります。
さらに、忌避剤や燻煙剤の誤使用による火災リスク、追い出しや封鎖が不完全だったことによる再侵入も深刻です。
再発すればするほど被害範囲は広がり、修繕費や清掃費は雪だるま式に増えていきます。一度の失敗が、後戻りできないダメージになることも珍しくありません。
捕獲や処分は法律と許可が絡むケースがある

害獣駆除でもう一つ大きな壁となるのが、法律の存在です。
日本では、野生動物の多くが鳥獣保護管理法の対象となっており、たとえ自宅に侵入している場合でも、無許可での捕獲や処分が認められない事があります。
「被害を受けているのに違法になる」という点は、多くの人が想像していない落とし穴です。
罠の設置方法や捕獲後の対応を誤ると、知らないうちに法令違反になる可能性もあります。害獣駆除は、単なる作業ではなく、知識と手順を誤れない分野であることを理解しておく必要があります。
自分でやってはいけないNG害獣駆除方法・対策10選
ここから紹介するのは、知らずにやってしまいがちですが、実際には被害を悪化させやすい害獣駆除のNG行動です。
どれも、ネット検索や動画を見ていると「簡単そう」「これならできそう」と感じてしまうものばかりですが、現場では失敗例が非常に多く報告されています。
特に厄介なのは、これらの対策がその場では効いたように見える点です。
音が止まった、姿を見なくなった、匂いが減った。そう感じた数日後、あるいは数週間後に、別の場所から再び被害が始まる。このパターンは害獣駆除で最も多い失敗例のひとつです。
害獣は人間よりも住環境に敏感で、危険を察知すると行動を変えます。中途半端な追い出しや誤った封鎖は、害獣に「この家は攻略できる」と学習させてしまい、結果として被害を長期化させます。
これから紹介する10のNG対策は、よかれと思ってやってしまいがちなものばかりです。害獣被害の対策を自分でしようと考えている方はチェックしてみてください。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策①
侵入口を塞ぐ順番を間違え、追い出す前に完全封鎖

害獣被害に気づいたとき、多くの人が真っ先にやってしまうのが「侵入口を見つけて塞ぐこと」です。
一見すると正しい対策に思えますが、追い出しが完了していない状態で侵入口を完全に封鎖する行為は、害獣駆除において最も危険なミスのひとつです。
屋根裏や壁の中に害獣が残ったまま出口を失うと、動物は必死に別の脱出経路を探します。
その結果、天井板や壁、配線周りを破壊して室内に出てきたり、建材を噛みちぎって被害を拡大させるケースがあります。
さらに、逃げ場を失った害獣が屋内で死んでしまうと、強烈な悪臭やウジ・ハエの大量発生といった二次被害につながる恐れもあります。
また、繁殖期の場合は、親だけが閉じ込められたり、逆に子どもだけが取り残されることもあります。
この状態では鳴き声や腐敗が長期間続き、精神的な負担も非常に大きくなります。侵入口の封鎖は、必ず「追い出しが完了し、内部に害獣がいないことを確認した後」に行う必要があります。
順番を誤るだけで、被害は簡単に取り返しのつかないレベルになってしまうこともあります。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策②
捕獲や駆除を無許可で行い、罠や捕殺を自己判断で実施
害獣被害が続くと、「捕まえてしまえば早い」「駆除して終わらせたい」と考えてしまいがちです。
しかし、日本では、多くの野生動物が法律によって保護・管理されており、たとえ自宅に侵入している場合でも、無許可での捕獲や殺処分が認められていないケースがあります。
特に注意が必要なのが、市販の罠やネット、殺鼠剤などを使った対応です。対象動物を誤れば違法行為になる可能性があり、捕獲後の処分方法を間違えることで、さらに法的リスクが高まります。
また、罠にかかった動物が暴れてけがをしたり、近隣住民やペットが巻き込まれる事故も少なくありません。
害獣駆除は「被害者だから何をしてもいい」訳ではありません。
法律・安全・処理方法を理解せずに行う捕獲や駆除は、被害解決どころか、新たなトラブルを生む原因になります。判断を誤れば、取り返しのつかない問題に発展することを理解しておく必要があります。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策③
毒餌や殺鼠剤を雑に使い、置いたままにしたりする
害獣対策として手軽に入手できる毒餌や殺鼠剤は、「置くだけで効く」と思われがちです。
しかし、この方法は害獣駆除の中でも特にリスクが高く、失敗したときの被害が大きくなりやすい対策です。設置場所や回収まで考えずに使うと、状況を悪化させる原因になります。
毒餌を食べた害獣は、ほとんどの場合その場で死にません。天井裏や壁の内部、床下など、人の手が届かない場所で死骸化することが多く、数日から数週間にわたって強烈な腐敗臭が発生します。
その結果、ハエやウジが大量発生し、室内環境が著しく悪化する事も珍しくありません。
さらに危険なのが、毒餌を置きっぱなしにすることによる二次被害です。ペットや小さな子どもが誤って口にするリスクに加え、他の野生動物や鳥類が摂取してしまう可能性もあります。
安易な使用は、害獣対策どころか、家族や周囲を危険にさらす行為になりかねません。毒餌や殺鼠剤は、知識と管理がなければ扱ってはいけない手段だと認識しておく必要があります。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策④
燻煙剤 忌避剤を「とりあえず大量使用」する
害獣の気配を感じると、「強い薬剤で一気に追い出したい」と考え、燻煙剤や忌避剤をまとめて使用してしまう人がいます。
しかし、この“とりあえず大量使用”は、効果が薄いどころか、かえって危険性を高める行為です。害獣対策において、薬剤は量ではなく使い方が結果を左右します。
燻煙剤を誤った場所やタイミングで使うと、害獣が完全に逃げ切らず、天井裏や壁の奥へ追い込んでしまうことがあります。
すると姿は見えなくなりますが、内部で暴れたり、別の侵入口を破壊したりして被害が拡大します。また、換気が不十分な状態で大量使用すると、人への健康被害や火災リスクも無視できません。
忌避剤についても同様で、強い臭いや刺激に慣れた害獣は、数日で効果が薄れることがあります。その結果、「効かなかった」とさらに量を増やし、住環境だけが悪化する悪循環に陥りがちです。
燻煙剤や忌避剤は、対象動物や環境を見極めた上で、限定的かつ計画的に使うべき手段であり、勢い任せの使用は避けるべきです。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策⑤
素手や薄い装備でフン・尿・巣材を掃除する

害獣被害に気づいた際、「とりあえず汚れている場所だけでも片付けよう」と、素手や簡単なマスク、薄手の手袋だけでフンや巣材を掃除してしまう方は少なくありません。
しかし、この行為は害獣駆除の中でも特に健康リスクが高い危険な対応です。
害獣のフンや尿、巣材には、肉眼では確認できない病原菌や寄生虫、ダニ・ノミが含まれている可能性があります。
乾燥したフンは掃除の際に粉塵となって舞い上がり、吸い込むことで感染症につながるケースもあります。また、尿が染み込んだ断熱材や木材は強いアンモニア臭を発し、粘膜や呼吸器に悪影響を及ぼすこともあります。
さらに、巣材の中には鋭利な針金や木片、害獣が噛みちぎった配線などが混ざっていることがあり、薄い装備ではけがをする危険があります。
清掃は単なる後片付けではなく、適切な防護具と手順を前提に行う作業です。準備を怠った掃除は、被害解決どころか、自分の体を危険にさらす行為になってしまいます。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策⑥
超音波機器や民間療法に過信して“原因放置”
害獣対策として手軽に試されやすいのが、超音波機器やハーブ、におい袋などのいわゆる民間療法です。
設置するだけ、置くだけで効果があるように見えるため、被害初期に選ばれがちです。しかし、これらを過信するのはおすすめできません。
超音波機器は、害獣が慣れてしまうケースが多く、最初は効果があっても数日から数週間で無効化されることがあります。
音の届く範囲も限られており、壁や天井裏の構造によっては、そもそも害獣に届いていないことも少なくありません。
それでも「音がしていない=いなくなった」と判断してしまうと、侵入口や巣といった根本原因が放置されてしまいます。
民間療法も同様で、一時的な忌避効果があったとしても、侵入経路や餌となる環境が残っていれば、害獣は必ず戻ってきます。
こうした対策は、補助的に使うものであって、解決策そのものではありません。原因を見極めず、手軽な方法に頼り切ることが、被害を長期化させる典型的な失敗パターンです。
自力でやってしまいがちなNG害獣駆除方法・対策⑦
動物の生態を無視して対策する
害獣駆除で見落とされやすいのが、動物の生態や繁殖サイクルを考慮せずに対策してしまうことです。特に注意が必要なのが、子どもがいる時期に親だけを追い出してしまうケースです。
見た目には成功したように思えても、実際には深刻な問題を引き起こしやすい対応です。
繁殖期に親だけが追い出されると、天井裏や壁の中に子どもが取り残されます。すると、数日間にわたって鳴き声が続いたり、衰弱して死骸化することで強烈な悪臭や害虫の発生につながります。
親は外から必死に戻ろうとし、屋根や外壁を破壊して再侵入を試みることもあります。この結果、建物被害が一気に拡大するケースも少なくありません。
害獣駆除は、タイミングを誤ると被害が倍増します。
対象となる動物の繁殖時期や行動特性を理解せずに追い出しを行うことは、最も避けるべき判断のひとつです。その動物の生態を踏まえた計画がなければ、追い出しは解決ではなく、新たな問題の始まりになってしまいます。
自分でやってよいラインとは?
どこからは害獣駆除業者に任せるべき?

害獣被害にあったとき、多くの人が迷うのが「これは自分で対応できる範囲なのか、それとも業者に頼むべきなのか」という点です。
結論から言えば、害獣駆除には明確な“越えてはいけないライン”が存在します。この線を知らずに踏み越えることが、被害拡大や事故につながります。
自分でやってよい範囲は、あくまで被害が軽微で、危険や法的リスクを伴わない作業に限られます。
たとえば、屋外に落ちているフンを防護具を着用したうえで処理する、侵入口になりそうな小さな隙間を応急的に確認する、被害状況を写真やメモで記録するといった「調査・把握」に近い行為です。
これらは状況を悪化させにくく、次の判断材料としても有効です。
一方で、天井裏や床下に入る必要がある作業、追い出しや封鎖を伴う対策、捕獲や薬剤使用、強い臭い・燻煙を使う対応は、すべて業者に任せるべき領域です。
これらは、けがや感染症、火災、再発、法律違反といったリスクが一気に跳ね上がります。また、物音が続いている、鳴き声がする、フンの量が増えている場合は、すでに被害が進行しているサインであり、自己対応で収まる段階ではありません。
害獣駆除で最も避けたいのは、「途中まで自分でやって、結局業者に依頼する」状態です。この場合、状況が複雑化し、費用も時間も余計にかかります。
少しでも不安を感じた時点で線を引き、「ここから先は任せる」と判断することが、結果的に最も安全で確実な選択になります。
市販の忌避剤など害獣グッズとはどう向き合うべきか?
害獣対策を調べていると、ホームセンターやネット通販で手軽に購入できる忌避剤や超音波機器、スプレー、燻煙タイプの害獣グッズが数多く目に入ります。
「これを使えば解決できそう」と感じるのは自然なことです。さらに重要なのはこれらを“何のために使うのか”を正しく理解することです。
市販の害獣グッズは、基本的に根本解決のための道具ではありません。多くは一時的に近づきにくくする、警戒心を与えるといった“補助的な役割”にとどまります。
侵入口が残っている、巣ができている、餌になる環境が整っている状態では、いずれ慣れられて効果が薄れるケースがほとんどです。「効かなかったから別の商品を試す」という繰り返しは、原因を放置したまま時間だけが過ぎていく典型例です。
正しい向き合い方は、害獣グッズを単体で解決策と考えないことです。被害状況の把握や、侵入口・生態の確認といった前提があって初めて、限定的に意味を持ちます。
たとえば、業者による本格的な対策までの“応急処置”や、再侵入防止の補助として使うのであれば有効な場面もあります。
市販グッズは「使えば終わり」ではなく、「使いどころを間違えない」ことが重要です。過信せず、あくまで補助的な選択肢として冷静に扱うことが、被害を長引かせないことにつながります。
NG害獣駆除・対策に関するよくある質問

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